なぜ逆転認可?トクホのノンアルコールビールを市場化したい人々


トクホ(特定保健用食品)のノンアルコールビールが誕生しそうです。一旦はトクホの表示は不適切とされたにも関わらず、逆転認可された背景とは?そこにはトクホ市場の実情が絡んでいる…?



トクホのノンアルコールビール

出典:yahooニュースの記事よりキャプチャ

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半年前はNGと言っていたのに

2015年2月18日、消費者庁はノンアルコール飲料2製品を特定保健用食品(トクホ)と表示することを許可しました。実はこれ、半年ほど前の2014年8月に、一旦は「未成年者が飲酒を始めるきっかけになる」という理由でトクホの表示は「不適切」との判断が出ていました。


トクホの申請の仕組み

トクホ製品を出したい場合、企業は消費者庁に申請を出します。そしてまずは内閣府の消費者委員会(第三者機関)によって効果や安全性などが審議されます。審議結果が消費者庁に答申されて、最終的に消費者庁が許可を出す流れになっています。

今回のノンアルコールビールについては、消費者委員会の審議の段階で「不適切である」との答申がなされました。これまで1000を超えるトクホ製品が世に出ていますが、こうした事は初めてだそうです。


条件付きで認可

今回の逆転認可は、消費者委員会の答申は参考にしつつも“健康維持への有効性や安全性は認められた”とのことで、これを条件付きで許可する形になりました。(条件とは、これまでのノンアルコールビールと同様に、未成年に販売しない、酒類の棚に陳列する、などです)


なぜ逆転認可に?トクホ市場の現状

気になるのは、どうして消費者委員会がNGを出したのに、消費者庁はGOしたのかという事ですが、もちろん消費者委員会の答申は強制力を持たないので、こうした事はあっても不思議ではないのですが。。

実はトクホ市場は、2008年頃を境として市場拡大が停滞しています。新規性のある商品がなかなか出てこない事や、エコナクッキングオイルの件(トクホ認定の同製品に発がん性物質が含まれている事が分かり回収騒ぎとなった)でのトクホの信頼性低下なども理由にあるのでしょうか。いち消費者としては、トクホ製品が世の中溢れていてもはや魅力に思わない…。


トクホ市場が縮むと困る人たち

ここらでひとつ消費者庁としては、トクホの市場再拡大の起爆剤が欲しいところ。トクホ市場の周囲には、トクホの効果にお墨付きを与える「財団法人 日本健康・栄養食品協会」など、トクホ市場が縮小すると困る人達がたくさんいます。こうした機関のお偉いさん席には、旧お役人のお歴々が居座っているんですね(トクホの元所管官庁だった厚労省を中心に)。

折しも、安倍首相の成長戦略のひとつである「サプリメント・健康食品の機能性表示解禁」が迫っています。サプリメントや健康食品にも、トクホと同様の機能表示(「◯◯に効果がある」という表示)が許されるようになる見込みです。消費者庁および厚生労働省はこの流れをなんとか阻止しようと動いています。トクホの市場、そして利権の縮小が目に見えているからです。

トクホ市場の景気付けに、ノンアル飲料のトクホなんて願ったり叶ったりではないでしょうか。追随する他社メーカーもあるでしょう。消費者庁がこれをNGにするなんてことはなさそうですね。

参考:
「サプリ機能表示」の岩盤規制に穴:facta online
「事後承認」の新制度に反対する厚労省の天下り機関:現代ビジネス


気になる商品は?花王がお酒の棚に並ぶ日が来る?

今回、トクホ認定されたのは、サッポロビールの「サッポロプラス」と花王の「ヘルシアモルトスタイル」。「サッポロプラス」は「食物繊維(難消化性デキストリン)の働きにより糖の吸収を穏やかにする」、「ヘルシアモルトスタイル」は「茶カテキンを豊富に含み、脂肪を消費しやすくする」という表示が可能になります。

まだ発売日などは未定だそう。花王の「ヘルシアモルトスタイル」に至っては、発売するかも未定との現時点の情報ですが、せっかくトクホ認定が降りたのに発売しないなんてことは…?ないのではないかと思います。が、花王の商品がお酒の棚に並ぶ日が来るとは想像もしませんでした。

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