ブレスコンディショニングの基礎知識(効果と方法)
ブレスコンディショニングとはコンディショニングトレーナーの有吉与志恵さんが提唱されている、呼吸法をもとに体の様々な不調を整えるためのメソッドです。肩こり、腰痛などの改善や、姿勢改善、ダイエット、アスリートのパフォーマンスアップなどに実績があります。
ブレスコンディショニングの概要
ブレスコンディショニングは大きく分けて2つのステップで心身の調整を行います。まずはリセットコンディショニングと呼ばれる、凝り固まった筋肉をほぐして、本来人間の体がもっている筋肉の働き、正しい骨格を取り戻すコンディショニングを行います。深層筋(インナーマッスル)の柔軟性を取り戻し、さらに表層筋の血流、リンパの流れを良くします。ここまでは各部位の筋肉を揺らす、さするといった手法を用います。
その後にアクティブコンディショニングを行います。アクティブコンディショニングは、意識的な呼吸によって体の体幹(コア)にある横隔膜、腹横筋などを活性化します。
2つのステップによって、質のよい呼吸と体幹の安定性を取り戻すことで、肩こり、腰痛などの改善や、姿勢改善、ダイエット、アスリートのパフォーマンスアップなどに繋がります。
ブレスコンディショニングの方法
リセットコンディショニングの方法
アクティブコンディショニングのときに深い呼吸を可能とするために、上半身の各箇所を順にリセットしていきます。一例として、背筋群や背骨のリセットコンディショニングを紹介します。(他にも首、胸郭などを順にリセットしていきます)1,椅子などに座り上体を丸めて、腕はだらんと脱力します

2,この状態で背骨を中心軸にして、左右に回します

この方法で、上体を起こし背中を少しづつ伸ばしながら旋回を行っていきます。気持ちのいいポイントがあれば入念に旋回を行います。
リセットコンディショニングのポイントは、脱力することと、小さく揺らすように動かすことです。筋肉が緊張から解き放たれ、柔軟性を取り戻します。
アクティブコンディショニングの方法
リセットコンディショニングによって上半身の各筋肉がリセットできれば、いよいよ呼吸法に移ります。前述のとおり、呼吸法によって横隔膜や腹横筋といった深層筋(インナーマッスル)へ刺激を与えて、体の軸を安定及び質のよい呼吸ができるようになるのが目的です。- 座るか仰向けに寝る(寝る際は膝を立てる)姿勢をとります
- お腹の横(腹横筋を意識します)に手を添えます
- まず息を吐き、ついで息を吸う時にお腹を横に膨らませるようにして息を吸います
- 息を吐く際には、お腹が内側に縮んでいくようなイメージで息を吐きます(余計な筋肉を使うので、最後まで吐ききらず8割ぐらいで吐き終わる)
以上を繰り返します。1回の呼吸は10秒以上の時間をかけてゆっくりと行います。いわゆる腹式呼吸をベースとした呼吸法となっています。
特にこのメソッドにおいて重点が置かれるポイントは、お腹の前を膨らませるのではなく、横に広がるように膨らませるという点です。お腹の前を膨らませる事を意識すると、腹直筋という表層筋を使ってしまうため効果が出ません。
お腹の横側のインナーマッスルである腹横筋に上手に働きかける事で、横隔膜や骨盤底筋などの各種深層筋にも連動して、体のコアを安定させることに繋がるのです。
ブレスコンディショニングを習得するには?
ブレスコンディショニングには、他にも胸式呼吸をベースにした呼吸法や、腰痛、肩こりなど体の不調に応じて適切な体位をもとにしたコンディショニング手法が紹介されています。興味を持たれた方は、有吉与志恵さんの著書やワークショップなどに触れてみていただければと思います。
参考文献:奇跡の呼吸力:心身がよみがえるトレーニング (ちくま新書)
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