能楽師が教える腹式呼吸のコツ


wanosyosa
安田登さんの「身体能力を高める『和の所作』」(ちくま文庫)に腹式呼吸のエクササイズ法の解説がありましたのでご紹介します。能楽師であり、公認ロルファーである安田登さんが能楽の所作などを研究するなかで編みだした呼吸法のエクササイズです。



 


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大腰筋を使うと深い呼吸ができる

この本の中では、一冊を通して特に大腰筋の重要さが繰り返し述べられています。何故なら、大腰筋が上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、バランスのとれた良い姿勢を形作るための最も重要な筋肉だからです。また、腹式呼吸でポイントとなる横隔膜とも連動しているため、大腰筋が活性化されていることが、横隔膜を大きく動かす良い腹式呼吸のベースとなります。

 

スカイフック感覚とは?

大腰筋を正しく活用するために必要なこととは?それは正しい姿勢です。その姿勢の説明として、スカイフック感覚というものが紹介されています。これから説明する腹式呼吸のエクササイズでも必要となります。スカイフック感覚とは、上半身は天から吊られ、下半身は地面に支えられている状態で、体の軸を貫く1本の軸を感じながらたおやかに(しなやかに)立つための感覚です。下記にスカイフック感覚を習得するためのエクササイズ法を紹介します。
 
  1. 足裏の3つのアーチ(親指から小指にかけてのアーチ、土踏まずのアーチ、土踏まずの反対側のアーチ)が作り出す三角形の頂点をイメージして立つ
  2. 身体の横の軸がしっかり水平になってることを意識し、次に肛門から頭のてっぺんを抜ける垂直線を意識する
  3. 垂直線が頭上に抜けたところからフックで頭上に釣られるイメージをする。この際に胸骨をやや上げる
  4. 次に足から順に上に昇って身体を休める。身体が休んでいるイメージを持ちながら頭上のフックを再びイメージする

 

能楽師が教える腹式呼吸のエクササイズ

上記のスカイフック感覚に基づいた姿勢をベースにして腹式呼吸を行います。
 
  1. 足をやや開いてスカイフック感覚で立ち、両手の手のひらを下にむけて、第一の横隔膜の前に置く
  2. お腹をふくらませながら鼻から息を吸う。このとき横隔膜の前においた両手の指先を軽く下げて、内蔵を圧迫するイメージを持つ
  3. お腹を凹ませながら息を吐く。このとき、両手の指先を軽く上げて肺を圧迫するイメージを持つ
 

以上を10回程度繰り返します。両手を横隔膜に沿わせるようにして、腹式呼吸の際の横隔膜の上下の動きをよりイメージしやすくした方法となっています。ぜひお試しください。本にはより詳細に説明がありますので、参考にしてみてください。

なお、この本のなかでは、胸郭にある横隔膜(一般的に知られている横隔膜ですね)と、骨盤底にある横隔膜、それから大腰筋を使った呼吸を「全身呼吸」として紹介しています。そこに至るまでの段階として(1)ストロー呼吸(2)腹式呼吸(3)大腰筋呼吸というステップで紹介しています。ここでは、(2)の腹式呼吸法のエクササイズに絞って紹介しました。その他の呼吸法も、また紹介したいと思います。

 
身体能力を高める「和の所作」 (ちくま文庫)
安田 登
筑摩書房
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第1章 なぜいま「和の所作」なのか(子供たちの様子がおかしい/ 衰える一方の子供の運動能力 ほか)
第2章 深層筋の働きと呼吸(表層筋と深層筋/ 大腰筋を活性化せよ ほか)
第3章 姿勢を整える「和の所作」(すべての基本は姿勢から/ 明治維新は姿勢が決め手だった? ほか)
第4章 身体能力を高める「和の所作」(大腰筋を意識する/ 腹筋の鍛えすぎに用心 ほか)
第5章 心を鍛える「和の所作」(日本人の心は腹にあった?/ 声はよくも悪くも「越える」こと ほか)

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