スリングセラピーの基礎知識(効果と方法)
スリングセラピーとは、天上から下ろしたロープで身体を吊るして、自重免荷作用、振り子運動作用等を利用して治療を行う手技の総称です。1992年にノルウェーで開発されて以来、世界中から注目を集めている治療法です。身体の痛み軽減や、歪みの矯正など様々な効果が期待できます。
スリングセラピーの概要
スリングセラピーは、スリングエクササイズセラピーとも呼びます。英語のSling Exercise Therapyの頭文字をとってSETと表記されることもあります。スリングセラピーを行うには専門的な器具が必要となるため、器具を導入しているリハビリテーション施設などの専門機関で受ける必要があります。スリングセラピーのスリング(Sling)は「吊るす」という意味です。その名前のとおり、被術者の体を吊るして施術します。天井などから下げられた、専用の吊り下げ用の帯に身体を預けて、あとは施術者によって揺りかごのように揺らされたり、また身体を吊った状態で様々なエクササイズを実施します。
スリングセラピーによる効果
スリングセラピーは整形外科疾患、脳血管障害、小児疾患、呼吸疾患、スポーツリハビリテーション、スポーツトレーニング等の幅広い分野で活用されています。身体にかかる重力を軽減した状態を通じて、適切な負荷で身体の機能改善等を図ることができます。スリングセラピーによる主な効果は以下のようなものがあります。- 身体の痛みの軽減
- 血液循環の改善
- リラクゼーション(筋緊張の緩和)
- インナーマッスル(深層筋)の活性化
- 関節運動の正常化
神経-筋機能促通手技(Neuro muscular activation:Nurac)とは?
スリングセラピーによる身体へのアプローチのひとつに「神経-筋機能促通手技(Neuro muscular activation:Nurac)」があります。これは、スリングによる適度な不安定性(振動刺激)によって固有受容感覚、つまり筋肉や関節を動かす際の感覚機能を目覚めさせる効果のことです。機能が低下している筋肉に振動刺激を与えて、筋の収縮機能を高めることで運動機能を改善します。スリングセラピーを受けるには?
前記のとおり、スリングセラピーは専用の器具が必要となるため、専門機関で受ける必要があります。リハビリテーション施設を有する医療機関をはじめ、最近ではフィットネススタジオや高齢者向けのデイケアセンターでも導入が増えています。近隣の施設をぜひ確認してみてください。
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